工事の種類-①土木一式工事

工事の種類-①土木一式工事

建設業 許可 土木工事 土木一式工事 専任技術者 資格 学科

土木一式工事とは?

建設業の29業種のうちのひとつ、土木一式工事とはどのような工事を指すのでしょうか?

建設工事の内容としては、「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。)」とあります。

では、総合的な企画、指導、調整の意味は下の引用より、

総合的な企画、指導、調整とは、土木工事業の許可を有する建設業者が土木一式工事の構成部分をなす各専門工事を総合的に管理するものであって、土木一式工事の構成部分である各専門工事の施工についての技術上の管理とは別個のものである。(工事の施工についての技術上の管理は、元請負人が設置する専門技術者または、下請負人の主任技術者または専門技術者が実施する。)

引用元:Wikipedia

土木工事を構成する各専門の工事それぞれを総合的に管理するものということです。

この「総合的な企画、指導、調整のもとに」というのは、もう一つの一式工事である、建築一式工事でも使われている文言です。

では、どういう場合にこの土木一式工事という建設業許可を取得するかというと、例えばゼネコンのような企業が原則的に元請として大規模または複雑な道路工事やトンネル、橋梁、ダムなどを作るような工事を注文者から請け負って、各専門の工事を下請負業者を使って工事を施工するような場合に必要となります。

土木一式工事の具体例

  • 道路
  • 港湾・空港
  • 土地の造成・埋立
  • 鋼橋架設
  • 堤防法面の補強
  • トンネル
  • コンクリートダム

などです。上記はほんの一例です。

類似している工事の区分の考え方

  1. 「プレストコンクリート工事」のうち、橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は「土木一式工事」に該当。
  2. 上下水道に関する施設の建設工事における「土木一式工事」「管工事」「水道施設工事」間の区分
    1. 公道下等の下水道の配管工事および下水処理場自体の敷地造成工事・・・土木一式工事
    2. 家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道の配水小管を設置する工事・・・管工事
    3. 上水道の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事・・・水道施設工事

土木一式工事の許可を取得する際に必要な専任技術者の要件について

土木一式工事の許可を取得する際に、専任技術者の要件を満たすためには、一定の資格を取得していること、または所定の学科を卒業してから大学若しくは高等専門学校の場合3年、または高等学校若しくは中等教育学校の場合5年の実務経験、または10年の実務経験が必要となります。

土木一式工事の専任技術者となれる資格

土木一式工事の専任技術者となれる資格は以下の通りです。

特定建設業許可および一般建設業許可

  • 一級建設機械施工技士
  • 一級土木施工管理技士
  • 建設・総合技術管理(建設)
  • 建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術管理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
  • 農業「農業土木」・総合技術管理(農業「農業土木」)
  • 水産「水産土木」・総合技術管理(水産「水産土木」)
  • 森林「森林土木」・総合技術管理(森林「森林土木」)

一般建設業許可

  • 二級建設機械施工技士
  • 二級土木施工管理技士(土木)

所定学科について

土木一式工事の許可を受けようとする場合の所定の学科は以下の通りです。

  • 土木工事(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。)、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科

以上の学科を卒業している場合には、大学若しくは高等専門学校の場合3年、または高等学校若しくは中等教育学校の場合5年の実務経験で専任技術者の要件を満たすことになります。

また、上記の学科の名称とは異なっていても卒業した学科で履修した内容によっては所定の学科を卒業したとされる場合もありますので、そういった場合は各建設事務所の担当者に確認すれば該当するかどうかわかります。