工事の種類-④左官工事

工事の種類-④左官工事

左官工事とは?

建設業の29業種のうちのひとつ、左官工事とはどのような工事を指すのでしょうか?

左官工事の内容としては、「工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事」とあります。

壁をこてで塗っている工事をよく見かけますね。この工事が左官工事に該当します。

左官工事の具体例

  • 左官工事
  • モルタル工事
  • モルタル防水工事
  • 吹付け工事
  • とぎ出し工事
  • 洗い出し工事

などです。

モルタル工事?モルタル防水工事?

では、左官工事に含まれる、モルタル工事とモルタル防水工事の違いとは何でしょうか?

両方ともにモルタルの文字が入っていますが、どのような違いがあるのでしょうか?

まず、モルタル工事ですが、セメントモルタル塗りとも呼ばれています。

壁や床の仕上げやタイルの下地塗りをするためにこてを用いて塗ります。

一方、モルタル防水工事というのは、モルタルに防水材などを混ぜたものを床や壁、天井などに漏水を防止するための防水層を施工します。

吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事とは?

吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事とはどういった工事を指すのでしょうか?

まず、吹付け工事ですが吹き付ける材料により左官工事と塗装工事に分かれますが、左官工事においての吹付け工事というのは、建築物に対してモルタルなどを吹き付ける工事が該当します。

次にとぎ出し工事とは、グラインダーなどにより、人造石などを磨く工事のことを言います。

人造石のとぎ出し仕上げとは砕いた石をセメントで固めて、グラインダーで研磨することで人工的な石板を作る仕上げです。細かい砕石、粗い砕石など様々な大きさの砕石をセメントに混ぜて、硬まり具合を見ながら研磨して石板を人工的に作り出します。

最後に洗い出し工事とは、玉砂利やガラスなどをセメントに混ぜたものを塗り付け、玉砂利などが浮き出すようにセメントを刷毛などで洗い出して仕上げる工事です。

和風な住宅の玄関や、玄関アプローチ、駐車場などによく見られます。

類似している工事の区分の考え方

防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能です。

ラス張り工事及び乾式壁工事については、通常、左官工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものとされています。

左官工事における「吹付け工事」とは、建築物に対するモルタル等を吹き付ける工事をいい、とび・土工・コンクリート工事における「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」および「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹き付ける工事をいいます。

また断熱材の発砲ウレタンを吹き付ける工事は、内装仕上工事業または熱絶縁工事業に分類されます。

左官工事の許可を取得する際に必要な専任技術者の要件について

左官工事の許可を取得する際に、専任技術者の要件を満たすためには、一定の資格を取得していること、または所定の学科を卒業してから大学若しくは高等専門学校の場合3年、または高等学校若しくは中等教育学校の場合5年の実務経験、または10年の実務経験が必要となります。

左官工事の専任技術者となれる資格

左官工事の専任技術者となれる資格は以下の通りです。

特定建設業許可および一般建設業許可

  • 一級建築施工管理技士

一般建設業許可

  • 二級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 左官(職業能力開発促進法による技能検定)
  • 登録左官基幹技能者
  • 登録外壁仕上基幹技能者

所定学科について

左官工事の許可を受けようとする場合の所定の学科は以下の通りです。

  • 土木工学または建築学に関する学科

以上の学科を卒業している場合には、大学若しくは高等専門学校の場合3年、または高等学校若しくは中等教育学校の場合5年の実務経験で専任技術者の要件を満たすことになります。

また、上記の学科の名称とは異なっていても卒業した学科で履修した内容によっては所定の学科を卒業したとされる場合もありますので、そういった場合は各建設事務所の担当者に確認すれば該当するかどうかわかります。