工事の種類-②建築一式工事

工事の種類-②建築一式工事

建築一式工事

建築一式工事とは?

建設業の29業種のうちのひとつ、建築一式工事とはどのような工事を指すのでしょうか?

建設工事の内容としては、「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」とあります。

この総合的な企画、指導、調整の意味は土木一式工事の時の意味と同じで、

総合的な企画、指導、調整とは、土木工事業の許可を有する建設業者が土木一式工事の構成部分をなす各専門工事を総合的に管理するものであって、土木一式工事の構成部分である各専門工事の施工についての技術上の管理とは別個のものである。(工事の施工についての技術上の管理は、元請負人が設置する専門技術者または、下請負人の主任技術者または専門技術者が実施する。)

引用元:Wikipedia

建築工事を構成する各専門の工事それぞれを総合的に管理するものということです。

では、どういう場合にこの建築一式工事という建設業許可を取得するかというと、例えばマンションや物流センターなどの建築物を作る場合に、原則的に元請として工事全体を注文者から請け負って、各専門の工事を下請負業者を使って工事を施工するような場合に必要となります。

建設業の許可を取る際によく間違われるのは、この建築一式工事の許可さえ持っていれば、すべての専門工事を取り扱うことができるという誤解です。

これは先に述べたように、建築一式工事の許可というのは、「建築工事を構成する各専門の工事それぞれを総合的に管理するもの」であり、それぞれの専門工事を取り扱うには、各工事業の許可が必要になります。

建築一式工事の具体例

  • 住宅
  • 店舗
  • 工場
  • 倉庫・流通施設
  • 教育施設
  • 医療・福祉施設
  • 宿泊施設

などです。上記はほんの一例です。

類似している工事の区分の考え方

  1. ビルの外壁に固定された避難施設を設置する工事は、「消防施設工事」ではなく、建築物の躯体の一部の工事のため、「建築一式工事」または「鋼構造物」に該当。

建築一式工事の許可を取得する際に必要な専任技術者の要件について

建築一式工事の許可を取得する際に、専任技術者の要件を満たすためには、一定の資格を取得していること、または所定の学科を卒業してから大学若しくは高等専門学校の場合3年、または高等学校若しくは中等教育学校の場合5年の実務経験、または10年の実務経験が必要となります。

建築一式工事の専任技術者となれる資格

建築一式工事の専任技術者となれる資格は以下の通りです。

特定建設業許可および一般建設業許可

  • 一級建築施工管理技士
  • 一級建築士

一般建設業許可

  • 二級建築施工管理技士(建築)
  • 二級建築士

所定学科について

建築一式工事の許可を受けようとする場合の所定の学科は以下の通りです。

  • 建築学または都市工学に関する学科

以上の学科を卒業している場合には、大学若しくは高等専門学校の場合3年、または高等学校若しくは中等教育学校の場合5年の実務経験で専任技術者の要件を満たすことになります。

また、上記の学科の名称とは異なっていても卒業した学科で履修した内容によっては所定の学科を卒業したとされる場合もありますので、そういった場合は各建設事務所の担当者に確認すれば該当するかどうかわかります。